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2002 年度 実績報告書

近代日本における標準語教育の歴史的研究-沖縄を中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 11610279
研究機関愛知県立大学

研究代表者

近藤 健一郎  愛知県立大学, 文学部, 助教授 (80291582)

キーワード標準語教育 / 沖縄 / 方言札 / 沖縄県用尋常小学読本 / 教育史
研究概要

1、昨年度から引き続き、沖縄県内の小学校が刊行した学校記念誌に掲載された回想記録や座談会記録を資料として、近代沖縄における方言札の実態について調査研究を行った。本年度は、沖縄島中部地域の小学校を対象とした。新たに明らかにできた点は以下の通り。
(1)1900年代前半の方言札についての資料が得られた(北谷小、花城可勢の回想)。これは先行研究が指摘してきた最初の方言札とされているものよりも古い資料である。
(2)同上の回想は、沖縄言葉(方言)を使うことは「心がけがよくない」として教師に罰を与えられたこと述べている。この裏には「心がけがよい」言動としての標準語使用という教師の論理が示されている。
2、小学校における国語科設置など日清戦争後の「国語」確立に向けた政策が展開するなかで、文部省が沖縄県用に編纂した『沖縄県用尋常小学読本』(1897〜1904年度使用)を用いた教育実践とその論理について、学会発表を行った(論文としては未発表)。沖縄県私立教育会機関誌『琉球教育』に掲載された教育実践記録や教育論、言語論を主要な史料として用いた。明らかにできた点は以下の通り。
(1)1900年頃を境として、標準語教育の方法は、沖縄言葉を媒介としたものから沖縄言葉を最小限にとどめ主として標準語に依ったものへと移行しようとしていた。
(2)『琉球教育』には標準語教育の推進に疑問を呈する論は皆無であった。そして、その教育方法論は沖縄言葉の排除を伴って標準語教育を推進するものであった。
3、上記の成果を含む4年間の研究成果について、科学研究費成果報告書をまとめた。章構成は以下の通り。序章 本研究の課題/第一章 近代沖縄における標準語教育史-『沖縄県用尋常小学読本』を用いた標準語教育実践-/第二章 近代沖縄における方言札-学校記念誌を資料として-/補章 近代沖縄教育史研究の課題

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 近藤 健一郎: "近代沖縄教育史研究の課題"歴史の理論と教育. 112. 1-16 (2002)

  • [文献書誌] 近藤 健一郎: "近代沖縄における方言札(5)"愛知県立大学文学部論集(児童教育学科編). 51. 49-62 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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