研究課題/領域番号 |
11610280
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
山名 淳 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80240050)
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研究分担者 |
渡辺 隆信 兵庫教育大学, 学校教育学部, 専任講師 (30294268)
山崎 洋子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40311823)
宮本 健市郎 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50229887)
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キーワード | 新教育 / 共同体 / 学級 / 比較史 / 新教育連盟 |
研究概要 |
本年度は、共同研究の基礎作業を行うとして位置づけ、おおよそ以下の検討を行い、今後の活動について指針を示した。1 「新教育」概念史: 新教育運動研究の基礎理論として、概念史的研究を取り入れることを決定した。世紀転換期当時の新教育を標榜する者たちの理論および実践については、すでにこれまでも研究の蓄積があるが、それらがいかにして新教育という概念のもとに統括的に把握されていったのかということについては、まだ十分に考察されてはいない。そのことが、新教育運動研究における用語上の混乱を招いてきたと考えられる。本共同研究では、まず新教育概念に関するドイツの先駆的研究を取り上げて検討し、その批判的精査をとおして方法論の改良および日本におけるその応用を試みることを確認した。2 新教育の「共同体」形成論: 本年度は、まず英語圏とドイツ語圏の関連文献の内容を検討することに主眼を置いた。その結果、英語圏におけるコミュニティ概念とドイツ語圏におけるゲマインシャフト概念との関連性についてより詳しく検討することがさらなる課題として浮上した。世紀転換期における「学級」概念の特徴について議論するためには、そのような広義の共同体に関する観念の検討が不可欠であることが確認された。今後は、「共同体」と「学級」とを連結する当時の新教育運動関係者が残した史料の具体的検討が重要となる。
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