初年度の今年は、明治16年の調査にかかる私塾寺子屋調査書「教育沿革史材料」(宮城県図書館蔵)と「教育沿革史編纂資料」(東京都公文書館蔵)の内容を検討すするとともに、「教育沿革史草稿」(山口県文書館蔵)の所在状況の確認作業を行った。 「教育沿革史材料」については、その全文をパソコンに入力するとともに宮城県図書館に所蔵されている原史料との校合を行った。その上各私塾・寺子屋についてデーターベースを作成し、内容分析に着手した。この作業は次年度においても継続し、宮城県における私塾寺子屋の教育内容・教育方法等についての特徴を明らかにすることにしたい。「教育沿革史編纂資料」についてはこれまでの研究の深化をはかるとともに今後の主要課題である寺子屋の教育内容・教育方法を比較する視点の創出に努めた。「教育沿革史草稿」については所蔵状況の確認作業を行うとともにその内容を精査し、次年度において史料収集を行う準備を完了した。 なお私塾寺子屋調査書は斯学の発展にとって欠くことのできない原史料であるから、第1次報告書として『「教育沿革史材料」の翻刻-明治十六年宮城県下私塾寺子屋調査書-』(A4版 107頁)を刊行した。
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