本研究の全体目的は、授業内容などフォーマルな教育面に限らず、学生文化などインフォーマルな面での大学教育の効果を視野に入れた分析を行うことによって、卒業生・在校生による総合的かつ効果的な大学評価のあり方を検討することにある。この目的に則して、4年計画の3年目に当たる本年度は、以下の作業を行った。 1)昨年度までに実施してきた、複数の大学の在校生・卒業生を対象とした、学生文化の実態、学生の生活時間、大学評価などの諸調査の総合的な解析を進めると同時に、計量的な分析を補うためにとくに調査対象大学の1つをサシプルとして、モノグラフ的にその大学の学生文化と大学評価に関するケーススタディ分析を行った。(2)また、これまで男子学生文化に比べて紹介されることが少なかった、アメリカの女子大学を事例にとり、とくに女子学生文化の発展の様相を歴史的に明らかにした。(3)さらに最近の大学院の拡大傾向とからめて、大学院における学生文化の変化を、とくに就職動向に絞って分析した。 そして、以上(1)〜(3)の解析結果については、「研究発表」欄に列記した論文等で報告を行った。 なお、この研究を進める上で、図書費は必要文献の充実、旅費は調査打合せ、謝金はデータ入力、消耗品はそれら資料の整理のために用いた。
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