本研究の目的は、授業内容などフォーマルな教育面に限らず、学生文化などインフォーマルな面での大学教育の効果を視野に入れた分析を行うことによって、卒業生・在校生による総合的かつ効果的な大学評価のあり方を検討することにある。この目的にそくして、本研究では、以下の作業を行った。 (1)複数の大学の在校生・卒業生を対象として、アンケート調査を実施し、母校に対する大学評価を行ってもらうと同時に、自分の大学時代について学生文化の実態などについても、調査した。(2)さらに、その分析を進める過程で、意識面ではなく、より客観的な指標で、学生文化の実態を押さえておく必要に気づき、複数の大学の在校生を対象として、学生の生活時間に関するアンケート調査を実施した。(3)また、それら学生文化についての調査結果を、歴史的な文脈で位置付けるために、学生文化のなかでもとくにアルバイト活動に焦点を当て、今回は、戦前期から1950年代の戦後混乱期までに期間を絞り、その歴史の一部を記述した。1950年代以降の動向については、現在検討を進めている最中であり、来年度中には、論文化できるはずである。 以上の結果については、いずれも論文等の形で報告を行った。そして、それらを総合して、研究成果を最終報告書にまとめた。
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