研究課題/領域番号 |
11610291
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
長田 勇 愛知大学, 文学部, 助教授 (60221157)
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研究分担者 |
石井 仁 盛岡大学, 文学部, 教授 (10193252)
桜井 均 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (50119327)
遠藤 忠 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (10104118)
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キーワード | クラス替え / 学級編成 / 学級経営 |
研究概要 |
1 具体事例の詳細調査 「クラス替え」とは、同一学年に複数の学級がある場合に児童の編成を定期的に替えることをいう。これは行政的制度ではなく、各学校の慣行としての実践である。その実態に関する全国五地域アンケート調査の結果(平成12年日本教育学会発表)、その慣行は、(1)戦後において広まりはじめ、高度経済成長期以後に急速に全国に浸透した、(2)幅広い人間関係の形成という論理が表にあるが、児童の学力、担任教員の指導力などの観点からのクラスの均質化という論理が働いている、という傾向が見て取られた。 平成13年度は、事例研究として、「かつてクラス替えはなかった(固定式学級編成)」という報告のあった小学校をピックアップし、そのうち青森下北地方にある小学校一校および栃木宇都宮市にある小学校六校を実際に訪問して調査した。その結果、(1)昭和四十年代まで「固定式学級編成」をつづけ、それ以後に「クラス替え」を次第に導入していった、(2)しかし、時の校長によって「固定式」に戻ったり「クラス替え」方式になったりという流動性がまだあった、(3)昭和五十年代から「クラス替え」が通常化した、(4)学校への親の関心が強まるにつれて、学力格差、教員の質的格差の平準化、という論理が基本になった、という事実を見ることができた。 2 外国の文献研究、今後の展開 諸外国の学級経営では、児童の学級編成への関心がないようだ。「クラス替え」は日本独特の慣行と思われる。今後も本研究を継続し、より多くの事例による実証と、最近まで「固定式学級編成」を持続させていた長野県の小学校調査をおこない、「クラス替え慣行の当否」の観点での検討に展開させる予定である。
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