ノルウェーでは、1994年の改革により、基礎学校終了後、希望者全員に県立の高等学校の15の基礎コースの中の第3希望までのいずれか一つで3年間の教育を受ける権利が認められている。15の中、一般・経済行政、音楽舞踊演劇、体育の3コースは、概ね高等教育進学、他の12コースは職業資格取得に繋がる。12の職業コースは進級とともに細分化し最終約200の職業資格に応じている。その過半では高校第3年次に代えて企業内での2年間、有給の職業見習い実習を行なう。職業実習は高校と同様、県の管理下で行なわれる。県の自治により多様であるが、高等学校と職業教育実習の管理運営には高校生代表、実習生代表が参加することが「教育法」lov av 17.juli 1998 nr.61で定められている。 義務制学校は、97年の改革により1年延長され10年間の課程とされた。その教育課程は、第1学年からの英語教育、他宗教の内容にまで踏み込んだ異文化理解を伴う週2時限の「キリスト教知識・宗教・道徳」科目、入学当初授業時数80%・以後漸減第8学年で20%の教科統合・横断的なテーマ学習・プロジェクト学習などに特色がある。今後さらに研究したい。義務制学校は、コムーネ(市町村)の管理運営に属し、これも上記の法律で学校の管理運営への児童生徒・父母代表の参加が認められている。 そのほか一般教育の重視、同国のキリスト教的伝統文化及び異文化理解の重視、ブックモール、ニューノルスク両形態のノルウェー語及び少数言語(フィンランド語、サミ語)の尊重、国際交流の重視等も同国教育の特色である。 研究成果は、後記学会誌の他、2000年日本教育法学会、2000年及び2001年日本教育学会、2001年日本比較教育学会、2001年日本教育制度学会で報告した。各大会発表要旨集の他、発表時配付資料も含めてhttp://www17.tok2.com/home/institute/kitagawa/index.htmlで公表している。
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