研究概要 |
本年度は本研究の全体計画に沿ってインドの「国民教育論」の分岐点をなすと考えられるマハトマ・ガンジーの論の特質,論の出現の背景,歴史的意義等の解明に主眼を置いたが,この「国民教育論」に有形無形に影響してきたと考えられる19世紀半ばから20世紀半ばにかけて頻出する日本教育論に注目し、ガンジーを含むインドの代表的な各界の指導者8人を取り上げその日本教育論の解明にあたった。 当時の「国民教育論」の形成における国際的観点を無視できず、その中でもとりわけ日本教育論の存在の大きさを認識させられたのである。このことを視野に入れ「国民教育論」に関する資料の収集と分析に没頭した。 この関係において研究計画にもあるように平成13年3月18日から26日にかけ、独立前と独立後のインドにおける「国民教育」概念の変遷をより深く把握するためと本研究に関し研究者との意見の交流を図るためニューデリーに赴いた。この調査において国立教育研究所(NCERT)および国立教育行政計画研究所(NIEPA)の全面的協力を得ることができた。 滞在中は主に人的資源開発省(MHRD),大学補助金審議会(UGC),中央中等教育委員会(CBSE)および卓越性追求政策の一環として注目されるナボダヤ・スクール本部,インド工業大学(IIT)等を訪問し論議を重ね非常な収穫を得た。 なお,本年度は上記の研究展開において次ページ所載の諸論考を纏め上げることができた。
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