研究概要 |
異文化間コミュニケーション・シラバスの理論的枠組みとして,文化が人間の概念およびコミュニケーションスタイルに与える影響を表す異文化間コミュニケーション・モデルを構築した。第1に,各文化固有の指向性(価値システム)をVindelbantの価値哲学における3元論(論理的・倫理的・美的)により分類し,その3元論に従って,人間の概念想起からコミュニケーション行動までの心理言語学的プロセスを分類した。その理論的基盤を構成する仮説は,論理学,様相論理学を基盤とした3元論,及び言語機能(発話行為理論)を基盤とした3元論である。第2に,その3元論により西洋文化の中心価値指向を論理主義・個人主義・自己開示主義と規定し,それに関わる言語機能を3分割した。第3に調査活動であるが,ニューヨーク大学及びジョージタウン大学においてそれらの文化的指向が言語機能に及ぽす影響を調査・研究してきた。具体的には,面接形式,アンケート形式により英語の母国語話者の各杜会文化的状況における概念・感情・意志の表出傾向,言語形式選択の傾向と,その決定要素(価値指向)について可能な限り多数の被検者に対して調査・研究を行い,異文化間コミュニケーション・モデル理論の妥当性を検証してきた。
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