通級指導教室担当者に行った早期療育システムに関するアンケート結果では、幼児を指導している通級指導教室は、全体の65%であったが、そのうち幼児担当者が配置されている教室は、20%に満たない現状が分かった。このことは、小学校の教員が、地域や保護者の要請を受け、本務に支障のない範囲で幼児の相談に当たっている現状を示している。今年度は、幼児担当者が配置されている地域に対して、どのような職種で幼児の指導に当たっているのかの調査を開始した。 また研究協議会では、地域に密接して活動している通級指導教室にその活動内容の報告を求めた。一つは通級指導教室に幼児担当の職員が配置され、幼児の相談を行っている地域(静岡)であり、もう一つは通級指導教室の教員が核になり「学校ぐるみ・町ぐるみの支援体勢作り」(茨城)を始めている教室である。 静岡の通級指導教室における幼児を担当する職員からは、静岡県内の幼児教室の設置状況、担当職員の身分に関する現状や幼児の相談状況等について、報告があった。 「学校ぐるみ・町ぐるみの支援体勢作り」の発端は、町の就学指導委員会で「ことばの教室」の教員が地域の早期療育システムを提案したことであり、さらに町の保健婦と交流しながら「早期療育研修会」に参加していったことであった。このことを皮切りにして学校ぐるみ・町ぐるみの支援体勢というネットワークの構築を実践中である報告があった。
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