研究実績は以下のとおり。 (1)マヤ語のデータベースの作成に関して次の辞書を追加した。 1.Bocabulario de Maya Than.(Rene Acuna 1993.Mexico:UNAM)51-635頁. 2.Diccionario de San Francisco.(Oscar Michelon 1976.Graz:Akademische Druck-u.Verlagsanstalt)全770頁. 3.Diccionario de la Lengua Maya.(Juan Pio Perez 1866-1877.Merida:Imprenta Literaria)全437頁. (2)作成されたマヤ語の辞書データベースを元に、疾病観に関する検討作業を開始した。まずこのデータベースから身体部位に関する語彙を抽出した。この基礎データを元に、ユカタン・マヤ語では疾病がどのような身体現象として知覚され、かつ表現されるのかについての検討を行なった。 (3)平成12年9月には2週間のメキシコにおいて現地調査を実施した。この調査では、メキシコ・シティにあるメキシコ国立自治大学文献学研究所のマヤ研究所等においてマヤ語に関する新たな文献を収集するとともに、ユカタン州の村落部で宗教的な実践に関して二人の呪医にインタビューを行なった。しかしながら、当初予定していた、上記(2)の作業で得られた分析結果を、呪医などに対してインフォーマント・チェックすることは、(2)の作業の遅れから実施できなかった。この事項は来年度への持ち越し事項とする。
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