年度頭書に1、文献・ビデオの収集整理・目録作成 2、長崎県平戸島・的山大島の六斎念仏・ジャンガラ・背古踊りの集中調査、ビデオ撮影 3、長崎県壱岐島嘆仏調査、ビデオ撮影 4、香川県雨乞い踊り 5、長崎県五島列島予備調査 を計画した。そのうち4は日程の都合で調査をみおくった。それ以外は予想外の成果発見があった。 長崎県の平戸を中心にジャンガラ念仏のあることは事前に調査し、概要をつかめたが、的山大島の六斎念仏を調査する過程で、この念仏が旧平戸藩の域内に広く分布していたことがわかり、調査をすすめ現存する六斎念仏を5箇所で録音・録画することができた。 調査地点は的山大島・平戸市度島・五島列島小値賀島・鹿町町・壱岐島の各地でいずれも旧平戸藩内で、鹿町町以外は離島である。起源としては江戸時代初期の隠れキリシタン対策としてひろめられたと語られている。とくに壱岐島は全島に宗派をこえて、ひろまっていたようで、現存2箇所の録音録画ができた。その中で関西で絶えてしまった「白米」の曲の収録ができた。六斎念仏が北九州の離島に広く分布していたことは新発見といえます。曲調も引声の節が比較的残っており、貴重といえます。 その他ジャンガラ念仏・背古踊り等の念仏踊りを収録した。別に九州にも双盛念仏が有り、鉦の古いものが壱岐島にあることがわかった。また宮崎県の念仏踊りのビデオを収集した。沖縄に六斎鉦らしきものがあることを確認した。
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