江戸問屋文書の所在については豪商の場合にはすでに知られているが、問屋名鑑と明治期の商工人名録を用いて、問屋文書を所蔵していると思われる人を調べ、聞き取りを行った。その結果、江戸問屋文書の所在の有無がいくつか判明した。この3年間には新しく判明した文書と既知の文書の調査と、整理作業、目録の作成、それにマイクロフイルムによる撮影収集を行った。江戸問屋文書の所在状況を冊子型の報告書に収めた。下り酒問屋山田家、木綿問屋西村家、下り酒問屋八尾家、江戸問屋ではないが、佐原と佐倉に販売のための店をもつ呉服問屋の杉本家、および油問屋の殿村家の文書目録を収めた。ただし山田家、杉本家は途中の報告となる。この期間にフイルムで収集したのは山田家、杉本家、八尾家、西村家、伊藤家、西川家、小西家などである。この報告書ではそれらの文書の中から、江戸店の店則類や奉公人に関する史料を選んで紹介した。
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