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1999 年度 実績報告書

古代から中世の甲冑に用いられる組紐の材質と構造調査

研究課題

研究課題/領域番号 11610366
研究機関(財)元興寺文化財研究所

研究代表者

小村 眞理  財団法人 元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (10261215)

研究分担者 木沢 直子  財団法人 元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (50270773)
井上 美知子  財団法人 元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (70223279)
植田 直見  財団法人 元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (10193806)
キーワード甲冑 / 威糸 / 畦目 / 4畝平組紐 / 8畝平組紐 / ループ操作技法 / 要素数
研究概要

今年度の調査を通じて、中世の甲冑に用いられる8畝平組紐のうち色柄のあるものなら殆どすべての、また無地の場合でも特徴のある繊維が確認できれば、要素数を測定しループを用いた場合の初期配置の例を提示することができた。畦目については、逆板のものが袖、草摺などのものより多いループ数で組まれている例が2領確認できた(櫛引八幡宮赤糸威鎧、長谷寺赤糸威鎧)。
素材については予想していた通り絹の使用がもっとも多かった。これは縒りのほとんどないものとZ方向に強く縒ったものの2種類に大別できる。
木綿の威糸を用いた例は長谷寺の三目札鎧、鷹羽威鎧であるがこの2領はおなじ素材、色柄の紐を用いている。耳糸にもこれと全く同じ紐を用いている。要素数は18、ループ数9で初期配置の一例として左手に萌黄2白赤白赤、右手に白赤白が考えられる。組違えたと思われる部分が鷹羽威鎧に二箇所確認できた。この部分が紐幅の中心からみて左右対称形に見えることからもループ操作技法によった可能性を指摘できる。
耳糸には薄紫の単位のみ麻をもちいた、絹麻混紡のものが確認できた(金剛寺7、8、11号)。これは過去の修理報告書では絹と綿の混紡と指摘のあったものである。金剛寺7号藍韋威腹巻では草摺の前正面の左右のみに木綿の耳糸(生成、紺、紫)を用いているが、この素材は16-B号の高紐、花緘にも共通する。これらは劣化が激しく構造は不明確である。
出土品にはいまのところ4畝平組紐しか確認できないが小札の種類と威糸の素材(皮か組紐か)については、関連があると思われる。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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