• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

スペイン植民地都市マニラの歴史研究-中国人移民、スペイン人および植民地社会-

研究課題

研究課題/領域番号 11610375
研究機関愛媛大学

研究代表者

菅谷 成子  愛媛大学, 法文学部, 助教授 (90202126)

キーワードスペイン期フィリピン / マニラ / 中国人移民 / 植民地都市 / イントラムロス
研究概要

本研究は、3年計画で進めているが、本年度は初年度ということで、まずマニラのスペイン植民地都市としての歴史的発展過程を通時的に把握することを目指した。先行研究および入手済の資・史料を整理して、スペイン来航当時のマニラ周辺の現地住民の社会対外関係を含めて検討した後、スペインによるマニラ市設置に始まるスペイン植民都市としてのマニラの形成過程を、特に中国人の果たした役割に着目して考察した。その結果、福建-マニラ間の帆船貿易を含めて、中国人が果たした役割は多岐に亘るが、マニラ市の都市的基盤整備に、中国人が財政的に多大な貢献をしたことが明らかになった。また、中国人移民のカトリック化と婚姻による定住化との関係にも着目し、各種史料をもとに、その実態を分析した。史料として纏まったものとしては、スペイン領インディアスの統治の基本となった『インディアス法令集』の復刻版を入手した。
また、本研究成果の一部を「18世紀中葉フィリピンにおける中国人移民社会のカトリック化と中国系メスティーソの興隆-「結婚調査文書」を手がかりとして-」『東洋文化研究所紀要』(東京大学)139冊(2000年3月)に発表した。ここでは、18世紀中葉のアランディア総督による非カトリック教徒中国人の追放後、中国人移民社会は、出稼ぎ型から定住的なものに変化するが、その具体的過程を明らかにする一環として、マニラ大司教座文書館所蔵の結婚調査文書のうち、マニラおよびその周辺に残留したカトリック中国人移民と地元女性の結婚にかかるものを調査した。そのなかで、個々人の結婚をめぐる人間関係を事例的に取り上げ、分析するとともに、数量的な検討も行い、中国人移民のカトリック化と婚姻が、マニラを始めとするフィリピン植民地への定着化および中国系メスティーソの興隆にいかに関わっていたのかを示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 菅谷成子: "18世紀中葉フィリピンにおける中国人移民社会のカトリック化と中国系メスティーソの興隆-「結婚調査文書」を手がかりとして-"東洋文化研究所紀要(東京大学). 139. 420-444 (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi