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本研究の課題は、(1)『魏書』食貨志の訳注を完成することにより、北朝財政史研究に必要な基礎史料を整理すること、及び(2)それをふまえて北朝財政の収入・経費構造を解明する点にある。
本年度は、4年の研究期間の第二年度にあたる。第一に『魏書』食貨志訳注作成の本格的な作業をおこない、『通典』『冊府元亀』『資治通鑑』『北史』『魏書』などの中から抽出した諸史料を利用して本文の対校・注釈を作成し、それにもとづいて翻訳原稿を作成した。現在、『魏書』食貨志の訳注作業は、基本的に完了しているが、なお遺漏があるはずで、次年度以降も補訂作業をつづけていきたい。
第二に『隋書』食貨志の校訂・翻訳作業にとりかかったが、これは上記の作業との関連があるので十分に進展していない。次年度以降、本格的にとりくむべき課題である。
第三に、これらと平行して本年度は、北魏財政の収支構造についての諸史料を整理し、初歩的な考察をおこなった。いま少し手を入れ、次年度8月に中国山西省大同市で開催される魏晋南北朝史研究会で報告する予定である。
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