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2002 年度 実績報告書

朝鮮王朝十九世紀の昌寧県戸籍大帳に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11610380
研究機関上智大学

研究代表者

山内 弘一  上智大学, 文学部, 教授 (40166575)

キーワード朝鮮王朝史 / 戸籍大帳
研究概要

本研究は、現在学習院大学図書館に所蔵されている、19世紀朝鮮王朝、慶尚道昌寧県の『戸籍大帳』14冊を用いて分析を加えたものである。『戸籍大帳』の残存状況は年次や地域によって均衡がとれてはいないが、当時期当該地域を研究するうえで、第一級の資料であり、国内外の学界に広く紹介すべきものである。14冊の『戸籍大帳』全体の基礎的な分析結果として、先ず、『戸籍大帳』の都已上の条の数値と、実際に『戸籍大帳』本文に記載されている戸数や口数の数値との間に、かなりの乖離があることが確認された。これは『戸籍大帳』が編成作業に様々な困難があったことと、当時期当該地域における人口の流動化現象が起きていたことが原因であろうと思われる。社会階層に関しては、戸主の妻の称号に着目して分析を加えた。戸主の妻の称号は、氏、姓、召史の三種類があるが、氏、姓、召史の順で社会階層が低くなるとされている。『戸籍大帳』では、年次が新しくなるに従って、氏を称する者が着実に増加し、その傾向は、昌寧県の邑内よりも外村部の方がより顕著であった。以上の基礎的な分析をふまえ、事例研究として、昌寧県に存在する郷校や書院に関する「身分・職役」を持つ人々や、昌寧県の郷史を取上げ、その分布状況や社会階層の変化、家族や血縁関係、所有する奴婢等について、『大同譜』や『郷集』等『戸籍大帳』以外の資料をも利用しながら分析を加え、有益な新知見を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 山内弘一: "十九世紀昌寧県『戸籍大帳』の事例分析-郷校・書院等-"上智史学. 第46号. 167-233 (2001)

  • [文献書誌] 山内弘一: "学習院大学図書館所蔵昌寧県戸籍大帳について"学習院大学東洋文化研究所調査研究報告. No51. 1-27 (2002)

  • [文献書誌] 山内弘一: "十九世紀昌寧県の郷吏について-『戸籍大帳』による事例分析-"朝鮮学報. 第185輯. 1-40 (2002)

  • [文献書誌] 山内弘一: "朝鮮を以て天下に王たらしむ-学習院大学蔵『箕子八條志』にみる在野老論知識人の夢-"東洋学報. 第84巻第3号. 1-31 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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