研究概要 |
平成12年度は11年度からの継続の研究であった。四月には「東洋と奢侈」と題する国際会議を主催し,そこにおいてヨーロッパと東洋との比較研究の重要さを確認し,多くの知見を得ることができた。また12年9月に英国を訪れ,資料を集め,英国における研究者との間で意見の交流を行ない,大きな収穫を得ることができた。これらの研究の一部は12年10月に明治大学で行われた社会経済学会のパネル・ディスカッション「東洋を作る」において「ヨーロッパ捺染業の発展とインド捺染,及び東洋のテクスタイル」と題して発表した,奢侈の重要性はその倫理的な是非を含めて,近代社会に無視しえない影響を有しており,特に経済発展と社会文明という脈絡において決定的な役割を果たしてきた。本研究は日欧において消費社会が成立する過程で奢侈に注目すべき点をひとつの成果として達成し,そのために社会や経済がどのように再編成されていくのかを明らかにすることの必要性を確認した。今後の研究でさらに発展させていきたい。
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