研究概要 |
1フランスのユダヤ人は法的には1791年9月に解放されるが、「同化」が急速に進展するのは19世紀半ばのことである。本年度は、具体的成果として公表するにはいたっていないが、19世紀におけるユダヤ人の「同化」の実態と反ユダヤ主義の関係を中心に研究を進めてきた。その一環としてPierre Birnbaum, Gregoire, Dreyfus, Drancy et Copernic, dans Pierre Nora(dir.), Les lieux de memoire III.Les France I.Conflits et Partages, Gallimard,1992,pp.561-613の翻訳を行った(ピエール・ノラ編『記憶の場-国民意識の文化=社会史』第1巻、岩波書店[2001年夏頃刊行予定]所収)。また、(プレ)ファシズム思想と反ユダヤ主義との関連が指摘されているが、わが国では数少ないフランス・ファシズム思想研究書である、深澤民司著『フランスにおけるファシズムの形成-ブーランジスムからフェソーまで』(岩波書店、1999年)を書評した。 2これと並行して、Archives Juives : Revue d'histoire des Juifs de Franceを創刊号からそろえるなど、ユダヤ人問題・反ユダヤ主義関係資料や文献の収集に努めたほか、La Libre Paroleの一部のコピーや整理、データ化の準備を行った。
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