ドイツにおいて1898年から1919年までライプチヒやベルリンなどに合計9商科大学が創設され、そのうちミュンヘン商科大学は1922年に工科大学に併合された。この4半世紀がドイツ商科大学の「創生期」である1999年度は、この創生期のディプローム試験と商業教師試験の合格者に関し、ケルンとミュンヘンにおいて史料調査を続行し、ケルン商科大学(1901-1919)について最終的に合計1163名の個人データを集成することができた。データは次を含む。姓名、性別、出生日、出生地、国籍、信仰、父親の職業、入学前の学歴と職歴、入学年月日、入学のさいの居住地、試験合格の年月日、試験種目、試験科目、試験合格のさいの年齢。この研究成果の一部は関西学院大学の欧文紀要に公表した。ミュンヘン商科大学(1910-1922)に関しては氏名が特定可能な試験合格者593名のうち約9割のデータを収集できた。残り1割は2000年度に調査を続行する。「ミュンヘン」のデータの調査項目は「ケルン」と同様である。また「ケルン」と「ミュンヘン」に「ライプチヒ」(1898-1921)の2035名をくわえ、3商科大学の試験合格者の地理的分布を分析し、とくにオーストリア・ハンガリー帝国のベーメン出身学生の構成分析をおこなった。成果の一部は関西学院大学言語教育研究センターの紀要に公表した。さらに「ライプチヒ」の学生全体の分析を所属学部の紀要に公表した。
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