研究概要 |
1.前年度に引き続きテル・マストゥーマ,ユーフラテス水没地区遺跡の遺構・遺物の実測図を入力してイラストレーターでトレースし,データベース化の作業を行った。また,図面と関連する写真も入力し,実測図と写真の一体化をはかった。図面のトレース及びデタベース化の作業は今後も継続して行っていく。 2.テル・マストゥーマの集落構造は出土遺物との関連で,部屋,家屋,街区の機能の把握検討を継続して行った。この成果の一部は『Ancient Near Easten Studies Supplement 7』に掲載され,鉄器時代に再建されたテル・マストゥーマの町が9世紀初頭のハマト王国の対外政策によって植民した屯田兵の家族が居住する要塞の一つとして捉えることができた。 3.テル・マストゥーマ出土の炭化オリーブ種子や炭化ブドウ種子,ユーフラテス水没地区遺跡出土のオイルランプなど関連する資料約50点で構成した展覧会「地中海のめぐみ:オリーブとブドウ」が古代オリエント博物館で開催された。本研究成果の一端を一般公開して好評を得た。 4.西アジア及び周辺地域の発掘報告書の購入及び関連図書の複写を行った。 5.最終年度に提出する本研究の「研究成果報告書」を作成した。さらに本研究で得られた成果は「古代オリエント博物館紀要」などで逐次公表していく予定である。
|