研究概要 |
基本的な台帳として馬淵和夫監修『今昔物語集文節索引』(笠間書院,全28巻)を使用することとし同索引の具体的な検討にはいった。この素引は, (1)各巻の底本が一致していない。 (2)おなじ漢字の読みも巻によってまちまちである。 (3)単語の認定のしかたがバラついている。 などの欠点がある。これは,最初はゼミの資料として学生などに分担して作らせたもので,方針が最初から統一されていたわけではないからである。これでは,統計をとるうえで困難があるが,現在,これにかわるべきものはない。 とくに,単位の認定は語彙の統計的研究にとって基本的な重要性をもつものである。本統計表は,完成後,宮島編『古典対照語い表』と相互参照できるようにしておくのが望ましいので,単位の切り方などをそろえておく必要があり,分担者・協力者がそろって,慎重に審議し方針を決定した。このような検討をへて,アルバイターに索引の語数を計算する仕事を始めさせた。
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