研究概要 |
1.既存のコーパスに関する調査 (1)国立国語研究所で所蔵するテキスト化されたデータのうち、「現代雑誌九十種の用語用字調査」の本文データを入手し、テキストデータとして利用できる形式に加工した。 (2)インターネット上のテキストデータについては、「青空文庫」のデータを収集した。 (3)日本語研究文献におけるコーパス利用の実態について調査し、実例と作例の割合、その利用のされ方について報告した(山崎誠,文法研究における用例と作例,第43回計量国語学会大会,1999年9月25日,筑波女子大学) 2.記述的日本語研究のための電子化コーパスの設計・試作の準備 (1)同時代の言語資料で、主に書きことばを中心に資料を収集、付加情報はとくに付けず、より多くの種類の文章が集まることを優先することにした。 (2)コーパス作成の準備的資料として、小説1冊、実用書1冊、自書1冊、新書1冊、ドラマのシナリオ18編を入力した。 (3)語彙的にバランスのとれたコーパスかどうか評価するために、以下の2文献のデータベース化に着手した。 ・『新明解国語辞典第5版』、『岩波国語辞典第5版』をテキスト化し、見出し、表記、意味記述、用例などの項目ごとに整理した。 ・『現代雑誌九十種の用語用字 全語彙・表記』を入手し、品詞情報を付加した。 3.コーパス利用研究文献リストの作成 1985年以降の人文系日本語研究におけるコーパスを積極的に利用した文献のリストを作成した。 4.関連する研究発表 ・日本語文型研究資料としての英和辞書の活用-小学館『プログレッシブ英和中辞典』(第3版)の動詞の意味記述の利用(山崎誠,JACET英語辞書研究会第3回ワークショップ,1999年12月11日,園田学園女子大学) ・現代語の複合辞の意味・用法-「だけに」の用法を探る-(山崎誠,平成11年度国立国語研究所研究発表会ポスター発表,1999年12月21日)
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