本年度は平成11年度から始められた研究の最終年度にあたる。本年度に行った研究内容は以下のとおりである。 (1)『文選李善注語釈索引』の作成 平成11〜13年度に行った『文選李善注』語釈のカード化に引きつづき、(1)画数順にカードを整理;索引の利便性を考慮して、昨年度部首別に整理しておいた語釈カードを、画数順に整理しなおした。 (2)同一記事の整理;これまでに蒐集した語釈カードには内容の一致する記事が少なからず見られるため、これら同一内容のカードを統合整理する作業を行った。 (3)索引原稿の作成・印刷;(1)(2)をもとに索引の原稿を作成、現在印刷中。本研究の中核をなすのは『文選李善注語釈索引』の作成であり、本年度中に原稿は完成したものの、当初の予想を大幅に上回る大部なものとなり、予算の関係で90ページ程度までで中断せざるを得なくなったことは残念である。 (2)その他 上記(1)と並行して(1)古代日本語の「白」の訓をめぐって意味の分析を試み、(2)萬葉集巻二十の防人歌群の編纂実態の解明、さらに(3)大伴池主の漢詩と和歌の作風について考察を行った。 索引が完結した後には、古代日本文学の漢字文献における用語の分析が展開される予定である。
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