研究課題/領域番号 |
11610468
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐藤 利行 広島大学, 文学部, 助教授 (80178756)
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研究分担者 |
佐藤 大志 安田女子大学, 文学部, 講師 (90309625)
森野 繁夫 安田女子大学, 文学部, 教授 (90033505)
小川 恒男 広島大学, 文学部, 助教授 (20185507)
鷹橋 明久 四国大学, 文学部, 講師 (10309693)
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キーワード | 六朝詩の特質 / 六朝詩の詩語 / 『文選』 / 陸機 / 謝〓 / 『詩紀』 |
研究概要 |
六朝詩の特質を究明するために、六朝詩の詩語を収集し、それを整理・分析することが、本研究の目的であり、今年度は、『文選』所収の六朝詩から、六朝の詩語を収集することから作業を始めた。 その結果、西晋の陸機は、それまで用例を見ることのない詩語、すなわち陸機みずからが作り出したと思われる詩語を多く用いていること、また、陸機の使用する詩語には、弟の雲と共通するものが多いということが判明した。更に、こうした状況はその賦作品においても見られることも分かった。 六朝・梁の謝〓の場合、謝霊運の作ったと考えられる詩語を意識して使う傾向にあること、また謝〓に始まる詩語、或いは謝〓以前にもあったと思われる詩語についても、そこには謝〓によって新しい生命を吹き込まれたものが多いことが分かった。更に、こうした新しい詩語は、謝〓詩においては叙景、行旅の様子を述べる際に多用され、言志、性情表現の場合にはあまり使われない傾向にあるようである。 今年度は、『呉均詩索引』および『何遜詩索引』を作成したが、例えば此れによって、何遜詩には自然の事物に関する詩語が多く、それらの詩語は特に江辺の情景を詠ずる詩に多用されていることなどが窺われた。 現在、広島大学に蔵する『詩紀』を底本に、陸機詩索引、陸雲詩索引、劉孝綽詩索引、江淹詩索引、などを作成しているが、これらの索引が完成すれば、六朝期の詩語を概観することが出来、これに拠って個々の詩人の詩語の特徴も解明できるものと考える。
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