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1999 年度 実績報告書

名詞句の内部構造と非顕在的移動の類型論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11610475
研究機関弘前大学

研究代表者

木村 宣美  弘前大学, 人文学部, 助教授 (90195371)

キーワードミニマリズム / 数量詞上昇 / 非顕在的WH移動 / 否定 / 非顕在的範疇移動 / 束縛 / 機能範疇 / 名詞句の内部構造
研究概要

Chomsky(1998)では、顕在的移動と非顕在的移動には異なるメカニズムが関与するとの示唆がなされている。すなわち,Spell-outでの顕在的(overt)移動では,範疇(categories)が素性に随伴(piedpipe)されて移動するが,非顕在的(covert)移動では素性すら移動しないとする分析である。したがって,Minimalist Program(MP)の枠組みでは,数量詞上昇規則(Quantifier Raising:QR),LF-WH移動規則,あるいは,否定極性表現(Negative Polarity Item:NPI)の認可では,範疇あるいは素性が移動するのではなく,一致(Agree)のもとで,その適格性が決まることになる。これに対して,木村(1999)では非顕在的移動が二種類に分類できることを指摘し,QRとNPIの認可には範疇移動(covert phrasal movement)が関与し,LF-WH移動規則には束縛(binding)が関与するとする分析を提案した。
また,Abney(1986,1987),Fukui(1986),Fukui & Speas(1986)等の機能(functional)範疇の研究により,名詞句は限定詞句(determiner phrase: DP)として扱われ,Ritter(1991),Szabolcsi(1994),Campbell(1996)等の研究により,名詞句の内部構造のさらなる精緻化がなされている。また,Fukui & Takano(1999)では,日本語・英語の名詞句が関連する言語現象の違いは,限定詞(D)が主要部として存在するかどうかに還元できるとの議論がなされている。言語の経済性の観点から,どのような機能範疇を名詞句に仮定すべきかは,ハンガリー語・イタリア語等の名詞句と移動現象との関わりに基づき,今後さらに検証する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 木村 宣美: "非顕在的移動と認可"Ars Linguistica. 6. 101-118 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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