研究概要 |
本年度はラーキン、イェイツ、ヒーニーの詩の韻を詳細に分析した上で、各詩人の詩作品のテーマと韻との微妙な関係を考察した。夏にはラーキンの草稿や韻に関する研究及び資料収集のためにイギリスのハル大学のブリンモア図書館とラーキン資料室を、またヒーニーに関する研究のために北アイルランドのヒーニー資料館を訪れた。これらの成果を「Literary Stylistics and the Language of Poetry--With examples from Yeats,Larkin and Heaney(「文学の文体論と詩の言語-イェイツ、ラーキン、ヒーニーの場合」)と題して英語の論文にまとめ、京大-ノッティンガム大学提携記念シンポジューム「文学の言語」で発表する予定であったが、先方の都合でシンポジュームは中止になってしまった。またKatie Wales著の『英語文体論辞典』を豊田昌倫氏他と翻訳した(三省堂、2000年4月15日)。次に週刊朝日百科『世界の文学』シリーズ67号(朝日新聞社、2000年10月29日)にW.H.オーデンに関する『詩は歴史を動かすのか』と題する論文を、同74号(2000年12月17日)にフィリップ・ラーキンに関する『戦後イギリス文学の支配霊』という論文をそれぞれ発表した。さらに『イギリス詩を学ぶ人のために』(世界思想社、2000年4月20日)の「W.B.イェイツ」の章を執筆した。
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