研究概要 |
1 本研究期間の当初に、本研究課題と直結する英語否定文の史的発達を扱った研究代表者の論文"On the Scope of Negative Concord"が印刷出版された。 2 本補助金の交付によりEnglish Prose Drama on CD-ROM,OED 2 on CD-ROMその他を購入することが出来た。これらを活用して次の成果を上げることが出来た。 (1) 否定文においてbeはhaveよりも早くdoと共起した。 (2) beには本動詞、受動態助動詞、進行形助動詞の三つの機能があるが、前二者のbeはほぼ同時期1590年頃doと共起し始めたが、最後の機能のbeはおよそ200年遅れて1790年過ぎ頃doと共起し始めた。 (3) haveはdoと1700年過ぎ頃共起し始めた。通説より50年以上早い。 以上(1)〜(2)の成果を主要論点として論文"An Aspect of the Development of Negative Sentences in Modern English"にまとめ、第11回歴史英語学国際会議(The University of Santiago de Compostela,Spain,2000)で発表した。 3 著書『英語史』を出版した。英語の先史、英語の成立と発達の背景、借用語、文字と音声、形態論、統語論の6章に分けて英語の全史を概説したが、最後の統語論の章のとくに迂言的doを扱った二つの節では本研究の成果を効果的に利用することが出来た。
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