17世紀ニューイングランドを背景にしたアメリカ文学であるナサニエル・ホーソーンの、『緋文学』における17世紀英米文化との関わりを研究するため、特にイギリスの宮廷の衣装・紋章・祭式・建築・室内装飾などの文化表象と、ニューイングランドの初期マサチューセッツ湾植民地特権階級の文化表象について、8月12日から9月5日までの日程で現地調査をおこなった。 (1)英国では紋章院、ウオーバーグ研究所、バッキンガム宮殿、ロンドン塔、大英博物館を初め幾つかの美術館を訪れた。実物をみて細部を確かめることができたことは研究上の大きな成果であった。 (2)アメリカではボストンに滞在し、ハーヴァード大学ホートン図書館、ボストン・パブリック・ライブラリー、Massachusetts Historical Society、古い墓地などを訪れ、見逃していた古物の検証や背景の資料収集をおこなった。今までおこなってきた研究を更に裏付けることができ、仮説に自信をもつことができた。 (3)総じて計画通り実行できたが、残念なことにミレニアム準備で英米共に整理のために休館中の所が多く、せっかく訪れたが、目指していたものを閲覧できなかったのは残念である。来年度または再来年度を期待している。
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