研究概要 |
アメリカのCNNテレビの番組"Larry King Live"で話されたことばのすべてを文字化したものと,番組を収録したビデオの音声と比較しながら,口語英語の特徴を捉える研究を中心に進めてきた。実際にコミュニケーションで使われる表現や,わが国の研究書や辞書などではカバーされていない問題がいかに多いかを痛感した。例えば,we are responsible for that の we を分裂文において強める場合,書き言葉ではほとんど例外なく it is we who are responsible for that となるが,話し言葉では,it is us who is/are responsible for that となることが多い。who の後に,are がくるか is が来るかは話し手の意識によって左右される。このように、明らかに口語英語と書記英語とは異なった文法に支配されている。このような研究成果の一部は,大学英語教育学会英語辞書研究会のワークショップ(平成11年12月11日)に於いて,「英和辞典における統語情報や意味情報をいかに up-to-date にするか-口語英語研究と辞書記述の関係から」の題で発表した。この研究報告を拡張し,雑誌Helicon 24号に論文「口語英語と辞書記述」を発表した。また、英語の疑問副詞whyの特殊性について,多くのデータを上記の"Larry King Live"から得ながらまとめた論文"Why"why" is different"を KWANSEI GAKUIN UNIVERSITY HUMANITIES REVIEW VOl.4に発表した。
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