研究概要 |
本年度も、昨年度に引き続き、アメリカのCNNテレビの番組"Larry King Live"で話されたことばのすべてを文字化したものと,番組を収録したビデオの音声と比較しながら,口語英語の特徴を捉える研究を中心に研究を進めた。とりわけ本年度は、わが国の英語教育には欠かすことのできない英和辞典に含まれるさまざまな問題点を取り上げ、その問題点を、収集したデータと検証しながら分析を進めた。その結果を「辞書とデータを読む-COD/OEDと英和辞典〈上/下〉」(『英語青年』8、9月号(Vol.CXLVI-No.5,6))、「英語辞書学序説-口語英語研究とコミュニケーション教育のために」『言語と文化』第4号の論文として報告した。また、同時に、口頭で現代英語特に口語英語の研究に資する目的で、「私の辞書学プログラム」(第1回関西英語語法文法研究会、於:関西学院大学、2000年7月8日)および「非自立的不定代名詞と自立的不定名詞」(第8回英語語法文法学会・第3回ワークショップ、於:大阪樟蔭女子大学、2000年11月17日)として発表した。また、国際辞書セミナーの一環として行われた「2言語使用の辞書」をめぐるシンポジウムの講師として、"Updating English-Japanese Dictionaries"(大学英語教育学会辞書研究会第4回ワークショップ、於:清泉女子大学、2001年3月26日)の題で、上記と同様の主旨の発表を行った。このシンポジウム参加の海外研究者のために、"Facts and Problems in English-Japanese Dictionaries"の題で、A4 30ページの論文を用意し、英和辞典の抱える問題点、とりわけ、口語的な英語の表現をいかに英和辞典に盛り込むかという点を論じた。また、招待講演「英和辞典の問題点とその原因をさぐる」(大阪言語研究会第136回例会、於:アヴィーナ大阪、2000年7月2日)に於いても、英和辞典と現代英語、あるいは口語英語の記録の遅れなどを論じた。
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