研究概要 |
初年度の研究実施計画に沿って、平成11年5-7月末にかけて、サトウ自筆日記の第一期分について判読完成に取り組み、外国人と日本人各一名の大学院生による補助作業を受けて、判読ミスを指摘してもらうなど、完成度の高いテキストの作成を達成できた。8月末から9月中旬まで3週間の現地調査をロンドンの英国公文書館で行い、サトウ私的文書の総体を調査したが、膨大な数量の資料であることが分かり、この内、初年度の計画実施に不可欠な資料の中で手元にない自筆日記(PRO/30/16/1-12,17/1-17)の全29冊をマイクロ・フィルム化するように依頼して帰国した。9月末までに入手できたので、初年度後半の計画にある日本滞在第二期・三期と最後の日本訪問部分の判読に取り組み、目下、順調に進行しているので、予定の平成12年6月初旬までに判読を終えられる見込みとなった。 なお、実際に資料を目の前にしてから、初年度の当初計画に一段と拍車がかかる思いであり、判読テキストの作成を大幅に拡張して、サトウ自筆日記全巻の判読に取り組むことに決心した。すでにシャイアム等の他国滞在期間(1878-1895年)について自分の判読テキストを完成できた。私的には所謂50肩の苦痛に悩みながらも、マイクロ・リーダーを追加購入したことで、研究室と書斎に各1台配置によって、時間の無駄のないように日夜効率的に作業を進めている。また、役職上の時間的制約の中にありながら、計画以上のペースで順調に進行している一方で、3月末に予定していた短期英国調査が不可能になったので、国内調査として予定していた鹿児島県立歴史資料センター黎明館に、3月31日から4月12日までの間に二度調査に出向き、サトウと親交した英人医師Wi11iam Willis自筆文書約650点のカタログ作成に補助的に協力するかたわら、サトウに関連する貴重なウィリス自筆書簡20通余りを発見して判読できた。
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