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2000 年度 実績報告書

ベルギー文化のアイデンティティ-ナショナリズムからコスモポリタニズムへ-

研究課題

研究課題/領域番号 11610518
研究機関神戸大学

研究代表者

小林 和子 (岩本 和子)  神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (60203410)

キーワードベルギー / 民族精神 / 文化的アイデンティティ / 象徴主義 / メーテルランク / ペレアスとメリザンド / 植民地文学 / 舞台芸術政策
研究概要

現在取り組んでいるヨーロッパの仏語圏地域研究をさらに補い発展させる中で、複合的文化を有するベルギー文化の「中心」「周縁」概念の考察を課題とした。前年度に続き、ベルギー19世紀のロマン主義時代および象徴主義時代を中心に、フランス語・オランダ語による文学・芸術(演劇・音楽・美術)に関する文献資料を収集し、分析・検討・整理した。今年度の成果は具体的には以下のようなものである。
1 ベルギーの旧植民地コンゴに関する世紀末のいわゆる「植民地文学」を分析・検討を続け、小国ベルギーの「帝国意識」のあり方を明らかにした。
2 世紀末ベルギー象徴派を代表し、フランス語を用いてゲルマン・北方精神を追及した作家メーテルランクの戯曲『ペレアスとメリザンド』を資料とし、フランス人作曲家ドビュッシーによるオペラ化の過程でのテクストの変更や時代背景の分析をもとに、ベルギー人民族意識の在り方を浮き彫りにした。
3 外国旅費により、ブリュッセル大学P.アロン教授と、申請者の研究に関する意見交換を行った。またベルギーの舞台芸術、特にその文化政策の現状について、フランス語圏文化共同体政府の芸術文化(演劇)担当者、ベルギー王立モネ劇場・国立フィルハーモニー協会・国立劇場・その他ブリュッセルの諸劇場の支配人や広報・経営担当者に会見し、聞き取り調査及び資料収集を行った。これによって多言語国家ベルギーの芸術文化環境の特徴を明らかにすべく、現在報告書をまとめている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 岩本和子: "世紀末ベルギーの植民地主義と文学テクスト(2)-コンラッド『閣の奥』の謎と不在の都市プリュッセル-"国際文化学研究(神戸大学国際文化学部紀要). 14. 25-50 (2000)

  • [文献書誌] 岩本和子: "『ペレアスとメリザンド』における民族精神(2)-<メリザンドの歌>の変更をめぐって-"近代(神戸大学「近代」発行会). 86. 73-97 (2000)

  • [文献書誌] 岩本和子: "メーテルランク『ペレアスとメリザンド』における民族精神(1)-ドビュッシーによる<女中たち>の削除をめぐって-"国際文化学研究(神戸大学国際文化学部紀要). 15(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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