ドイツ・ラテン中世博物誌写本データの情報処理及びその古文書学的・文献学的実証研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11610533
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 四反田 想 広島大学, 文学部, 助教授 (60196384)
• キーワード: 中世ラテン語博物誌 / 古代中世高地ドイツ語博物誌 / テクスト・データベース / 古高ドイツ語博物誌 / フィジオログス / 世界年代記 / 古文書学的分析 / 文献学・図像学的分析

研究概要

中世ラテン語及び古代中世高地ドイツ語博物誌校訂本のテクスト・データベース作成のため、昨年度に写本所蔵各図書館に発注した第一次文献の当該中世ラテン語及び中世高地ドイツ語写本のマイクロフィルムを解読し、研究補助を使いながら、OCR及びスキャナーを使用しコンピュータヘ入力した。昨年度に引き続き、この作成されたテクスト・データベースの校正を綿密に行った。平成12年9月には、共著で『中世ヨーロッパに見る異文化接触』と題する著作を公刊し、その中で「ドイツ中世に見られる世界のイメージ-『博物学者』と『世界年代記』を中心に-」と題する章を執筆した。海外の当該研究専門分野研究者訪問によるレヴューとして、ドイツ語圏で最も権威ある中世ドイツ語学・ドイツ文学学会Wolfram von Eschenbach協会会長、ザールラント大学教授Wolfgang Haubrichs博士を平成12年10月4日から7日にドイツ連邦共和国・アイヒシュッテット大学で開催されたWolfram von Eschenbach協会の学会の際に訪問し、当該計画の実施状況・経過について報告し、専門上の助言・レヴューを受け、中世ラテン語・古代高地ドイツ語及び中世高地ドイツ語博物誌写本、特に『古高ドイツ語フィジオログス』写本の古文書学的・文献学的並びに図像学的分析に関する多くの助言を得た。また、平成12年12月に東京で開催された国際アーサー王学会日本支部学会に参加し、当該計画の実施状況・経過に関して、日本のヨーロッパ中世文学語学研究者と学術上の情報交換を行った。更に、リーダープリンタ用のズームレンズを購入することで、マイクロフィルムの解読が飛躍的に改善された。平成12年末に、当該研究の成果の一部として、広島大学文学部紀要に、論文"Aspekte der, Imago mundi'in der "Weltchronik" Rudolfs von Ems und im "Altdeutschen Physiologus""を発表した。

研究成果

• [文献書誌] 四反田想,SHITANDA,So: "Aspekte der 'Imago mundi' in der"Weltchronik" Rudolfs von Ems und im"Altdeutschen Physiologus""広島大学文学部紀要. 60. 185-203 (2000)
• [文献書誌] 四反田想,SHITANDA,So: "Kanonbildung in der japanischen Mediavistik -Autonomie und Heteronomie-"Akten des 4.Internationalen Kongresses der GIG 1998 Kaprun bei Salzburg, Publikation der GIG. 6(印刷中). (2001)
• [文献書誌] 四反田想,SHITANDA,So: "Rezeption der Allegorese, Metaphorik und Symbolik der lateinischen>Physiologus<-Version in volkssprachlichen>Physiologus<-Versionen"Akten des X. Internationalen Germanistenkongresses. 10(印刷中). (2001)
• [文献書誌] 四反田想(原野昇)SHITANDA,So(HARANO,Noboru): "中世ヨーロッパに見る異文化接触"渓水社. 222 (2000)
• [文献書誌] SHITANDA,So(McConnel,W.(ed.)): "Nibelungen Encyclopedia"Garland (New York) (印刷中). (2001)