研究概要 |
ペルーのリマ市とチリのサンチャゴ市の言語景観を観察・記録した.上田が主に写真撮影を担当し,ティノコと高垣がフィールドノートへの記録を担当した.ティノコはスペイン人の目から現地のスペイン語を差異化して記録した.途中,アメリカ合衆国のマイアミ市とエクアドルのキト市のスペイン語の言語景観を観察・記録した. サンチャゴ市で開催された『ラテンアメリカ言語学文献学会』において研究集会を共同で主宰し,これまでの成果と,今回の観察の結果をまとめて発表した.現地の研究者との打ち合わせを実行し,アルゼンチン,チリ,メキシコ,スペイン,アメリカ合衆国(プエルトリコを含む),ボリビアの共同研究者と面談の機会を持ち,意見交換を行った.現地で文献資料を収集した.現地でしか入手しにくい資料を中心に収集した. 従来のスペイン語研究は,スペインのスペイン語に集中しがちであったが今回の南米諸国の言語を観察調査することによって,その欠を補うことができた.またテキストなどの文字情報ばかりでなく,写真による視覚的な資料を得ることもできた. 帰国後,収集された資料を整理した.フィールドノートの整理と写真のCD化により一時的なデータベース化を実現した.バルセロナ大学の共同研究者(エマ・マリティネル)の協力を得て,非言語伝達要素のビデオデータベースの一次資料を作成した.次年度ではこれらを文字と写真からなるデータベースとし,言語研究・教育や科学的な辞書編集に生かす予定である.
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