| 研究概要 |
1.調査地域
奄美諸方言のうち,以下の地域でアクセント調査を行ない,予定通り資料を集めた。
(1)奄美大島住用村全集落-用言基本形,活用形
(2)奄美大島大和村ほぼ全集落-用言基本形,活用形
(3)奄美大島宇検村全集落-用言基本形,活用形
(4)奄美大島瀬戸内町主要集落-用言基本形,活用形
(5)喜界島主要集落-付属語と活用形の補充
(6)徳之島天城町浅間集落-活用形の補充
2.調査成果
奄美大島南部の4町村については,従来の報告のある地点ではそれを大幅に補訂・補充し,未報告の地点では新たな資料を多数集めることにより,いずれの地点でも新しい成果が多く得られた。特に,住用村と大和村は従来,大部分が無アクセント地域とされていたところであるが,私の調査ではすべてアクセント対立が存在することを確かめた。これは,音節構造の変化に伴うアクセント対立の発生という興味深い現象である。
喜界島については,そのアクセント分布をポーランドで行なわれた第3回国際方言学・地理言語学会議で発表し,その英文論文が印刷中である。また,徳之島浅間方言については,詳しい活用形アクセント資料を公刊した。さらに,前年度の調査を整理して,奄美大島龍郷町の用言活用形のアクセント資料も発表した。その他についても,順次,論文および資料集として公刊を予定している。
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