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2000 年度 実績報告書

琉球・四国・九州諸方言におけるガ行子音の変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11610559
研究機関高知大学

研究代表者

久野 眞  高知大学, 教育学部, 教授 (20178023)

キーワード音声 / ガ行子音 / 宮古方言 / 与那国方言 / 琉球方言 / 高知方言
研究概要

平成12年度は宮古諸島の伊良部島の伊良部・仲地地区において11年度の調査結果に基づいて選んだ項目および今年度の調査結果を参考にして選んだ項目についてビデオ撮影およびDATによる録音を行った。
その結果、従来宮古方言の大きな特色とされてきた唇歯音のうち、有声唇歯音が弱くなっているということがわかった。ただし、それは子音単独で拍を構成する環境に限られており、促音音素と母音音素に挟まれるような環境では従来の唇歯音が保たれているという実態を把握することができた。
また、ガ行子音が声門喉頭破裂音に変化しているという従来の報告とは異なり、カ行子音もともに声門破裂音化しているということがわかった。これは、伊良部・仲地方言が、カ行子音もガ行子音も同じような変化を起こすきわめて珍しい方言であるということを意味する。
このようなカ行・ガ行の子音が声門破裂音化するのは両側にア母音(まれにオ母音)がある環境に限られており、他の母音組み合わせに接する場合にはk音、g音がそのまま保持されるということも明らかになった。
本年度はさらに与那国島においても臨地調査を実施した。琉球方言で唯一ガ行子音が鼻音である方言として有名であるが、そのガ行鼻音を音韻論的に解釈するためにはその音節構造の性質を明らかにしなければならないことがわかった。長音音素と促音音素が認められないということは従来も言われていることであるが、撥音音素も軟口蓋鼻音の前においてさまざまな長さで現れるため、その存在がきわめてあやふやな状態であると言える。
与那国方言は喉頭化子音がある方言としても有名であるが、その成立過程については十分明らかにされていない。今回の調査で喉頭化と撥音化との間に一定の関係があるらしいことがわかった。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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