研究課題/領域番号 |
11610560
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久保 智之 九州大学, 人文科学研究院, 助教授 (30214993)
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研究分担者 |
馮 蘊澤 熊本学園大学, 経済学部, 助教授 (70243871)
早田 輝洋 大東文化大学, 外国語学部, 教授 (80091239)
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キーワード | 満洲語 / 満洲語口語 / シベ語 / 黒龍江の満洲語 / 満洲語文語 / 満文金瓶梅 / 近世漢語 |
研究概要 |
研究代表者の久保は、昨年度に引き続き、中国新疆ウイグル自治区で話されている満洲語口語(シベ語)の現地調査のデータから、音韻論に関わる部分を整理し、満洲語文語との比較対照研究を行なった。また、今年度から新たに調査を開始した中国黒龍江省の満洲語口語についても、その音韻体系を、満洲語文語、およびシベ語と比較対照する作業を行なっている。成果の一部は、研究業績に挙げた論文のほか、昨年8月末-9月初めにドイツのボンで開催された第1回満洲・トゥングース学会でも発表している。 分担者の早田輝洋は、満洲語文語で書かれた『満文金瓶梅』をデータベース化し、これを用いて満洲語文語の色彩語彙の研究を引き続き進めている。また、一般言語学的観点から、また日本語との関連から、満洲語文語及びシベ語の流音についての考察を行い、日本言語学会の会長就任講演で発表した。 同じく分担者の馮蘊澤は、早田の作成になる『金瓶梅』崇禎本のデータベースを用いて、文法形態素「得」に関わる統語現象の分析等を、引き続き進めている。現代語との比較対照も行なっている。 3者は、恒常的な電子メイルの交換による研究交流のほか、昨年6月と本年2月に九州大学で研究会をもち、それぞれの研究を有機的に関連させるべく努めている。
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