複合動詞と項構造-項構造の統語表示に関する比較研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11610568
• 研究機関: 南山大学
• 研究代表者: 阿部 泰明 南山大学, 人文学部, 教授 (40159447)
• 研究分担者: 村杉 恵子 南山大学, 外国語学部, 助教授 (00239518) ; 青柳 宏 南山大学, 人文学部, 助教授 (60212388) ; 斎藤 衛 南山大学, 人文学部, 教授 (70186964)
• キーワード: 項構造 / 複合述語 / 名詞編入 / 統語表示 / 時制 / 生成文法

研究概要

本年度は、5月に宮川繁氏、Richard Larson氏、6月にAyesha Kidwai氏、8月にTim Stowell氏、9月に高橋大厚氏、10月にMark Baker氏、12月にJohnathan Bobaljik氏を招き、それぞれ項構造および事象構造に関連するテーマで講演を行ってもらい、かつ同テーマについて意見交換を行った。これらの研究者との意見交換によって、当プロジェクトに参加している研究者達の研究が一層深まることとなった。研究代表者、研究分担者の業績については、阿部が「敬語の文法と意味の世界をめぐって」と題した原田信一氏の解題と"Operator Movement and Passivization in Japanese"(共著)を公刊した。斎藤はLight Verbに関する論文(共著)、Predecate Raisingに関する論文、Scramblingに関する論文、原田信一氏論文「日本語に『変形』は必要だ」にかかわる解題を公刊した。青柳は"On Verbal Inflection"という論文を公刊予定。村杉は"An antisymmetry analysis of Japanese relative clauses"、"Japanese Complex Noun Phrases and the Antisymmetry"の論文を公刊し、「文法範疇の獲得と「の」の過剰生成に関する実証的研究」の論文を公刊予定である。集約すると、関係節の派生の問題、複合述語と意味役割の問題、形態論と動詞意味論の問題などを中心とした領域で研究が行われ、当プロジェクトの研究テーマであるところの複合動詞と項構造の問題に密接に繋がる研究がなされた。

研究成果

• [文献書誌] 阿部泰明(共著論文): "Operator Movement and Passivization in Japanese"南山大学日本文化学科論集. 1. 1-19 (2001)
• [文献書誌] 阿部泰明: "敬語の文法と意味の世界をめぐって(解題)"『シンタックスと意味-原田信一言語学論文選集』大修館. 786-794 (2000)
• [文献書誌] 斎藤衛(共著論文): "The Japanese Light Verb Construction and the Minimalist Program"Step by Step : Essays on Minimalist Svntax The MIT Press in Honor of Howard Lasnik 第8章(357p.)14名による共著. 261-295 (2000)
• [文献書誌] 斎藤衛: "Predecate Raising and Theta Relations"Proceedings of the 2000 Seoul International Conference on Language and Computation 韓国言語学会. 85-113 (2000)
• [文献書誌] 斎藤衛: "Scrarmbling in the Minimalist Program"Proceedings of the 2000 Seoul International Conference on Language and Computation 韓国言語学会. 115-132 (2000)
• [文献書誌] 斎藤衛: "日本語研究の対象と方法-原田信一「日本語に『変形』は必要だ」について(解題)"『シンタクスと意味-原田信一言語学論文選集』大修館書店. 804-808 (2000)
• [文献書誌] 村杉恵子: "An antisymmetry analysis of Japanese relative clauses"The Syntax of Relative Clauses 第6章John Benjamins Publishing Company(395p.)10名による共著. 211-234 (2000)
• [文献書誌] 村杉恵子: "Japanese Complex Noun Phrases and the Antisymmetry"Step by Step : Essays on Minimalist Syntax The MIT Press in Honor of Howard Lasnik 第7章(357p.)14名による共著. 231-264 (2000)
• [文献書誌] 村杉恵子(共著論文): "文法範疇の獲得と「の」の過剰生成に関する実証的研究"「アカデミア(文学、語学編)70号」南山大学. (出版予定). (2001)
• [文献書誌] 青柳宏: "On Verbal Inflection"JELS,日本英語学会. 18(出版予定). (2001)