本研究のテーマは南スラウェシ州に分布する、南スラウェシ語群中、研究資料がほとんどないアラッレ・タブラハン語、パンネイ語/方言、ピトゥ・ウルンナ・サル語、ウル・マンダ語の系統問題および音声データベースの作成である。 平成11年度は、南スラウェシ州の州都マカッサルにある、ウジュン・パンダン言語研究所を中心としたチームが、アラッレ・タブラハン語のアラッレ方言とマンピ方言、パンネイ語/方言の現地調査を行う。 平成12年度は、ウジュン・パンダン言語研究所のチームがアラッレ・タブラハン語のタブラハン方言、ピトゥ・ウルンナ・サル語のバンバン方言とマタンガ方言の現地調査を行う。10月14日に第31回日本インドネシア学会において、研究代表者の山口真佐夫(摂南大学)がアラッレ・タプラハン語の系統について、研究分担者の中鴫鴻毅(大阪工業大学)がアラッレ・タブラハン語およびパンネイ語/方言の音声分析について、研究協力者のAbdul Muthalib(ウジュン・パンダン言語研究所)がアラッレ・タプラハン語とピトゥ・ウルンナ・サル語の比較について研究発表を行う。これらの研究は平成13年度に、同学会の機関誌に収録される。 平成13年度は、ウジュン・パンダン言語研究所のチームがウル・マンダ語のタパラン方言についての現地調査を行う。山口の南スラウェシ州北西部の百語の研究史に関する論文が掲載される。10月8日に行われた言語文化学会第15回大会において、山口がピトゥ・ウルンナ・サル語について研究発表を行う。11月20日に中嶋がアラッレ・タブラハン語、ピトゥ・ウルンナ・サル語の音声分析について研究発表を行う。そして、年度末に本研究の成果を集めた論集の刊行を準備中である。
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