研究概要 |
平成11〜13年度、日米の環境文学を比較し、生物学的エコロジー、社会的エコロジー、精神のエコロジーの<三つのエコロジー>の観点から検討した。特に日米の環境保全運動の歴史おいて重要な役割を果たしたジョン・ミューアと南方熊楠に重点をおき、一方で、アメリカの自然保護思想の中核にある原生自然の概念、他方で、日本の自然保護思想の中核にある身近な自然の概念を追求することにより、野性的自然を護る国立公園制度、歴史や民俗,農林漁業と結びつき、日本人の自然感覚に溶け込んだ鎮守の森や里山をめぐる最近の動向や問題点の解明に成果を上げ、今後の環境文学研究の展望を得ることが出来た。 [現地視察]1.名古屋市周辺の身近な自然・里山の現状調査。2.和歌山県田辺市およびミシガン州ランシングとアナーバーで南方熊楠の足跡調査。3.ウィスコンシン州のジョン・ミューアおよびアルド・レオポルドゆかりの地の現状調査。4.G・P・ナブハンの民俗植物学とアリゾナ州ソノーラ砂漠の自然調査。 [研究発表]1."Rediscovering an Ancient Poem to Save a Tidal Flat."<平成11年6月、カラマズー市、第3回ASLE大会>2."Ecocriticism Revalues the World Across the [Boundaries Separating the Natural World, Human Society, and the Individual Mind."<平成11年8月、台北市、国際比較文学会第8回大会>3."Three Ecological Calls for a Restart Out of 'Satoyama Lands'"<平成13年6月、フラッグスタッフ市、第4回ASLE大会>4.「南方熊楠とジョン・ミューアの環境思想とその後の展開」<平成13年10月、静岡市、日本英文学会中部支部大会>
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