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2000 年度 実績報告書

近代法システムの形成・展開・変容-西欧・日本・中国の比較研究-

研究課題

研究課題/領域番号 11620009
研究機関東京都立大学

研究代表者

水林 彪  東京都立大学, 法学部, 教授 (70009843)

研究分担者 広渡 清吾  東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60025153)
金山 直樹  法政大学, 法学部, 教授 (90211169)
神宝 秀夫  九州大学, 文学部, 教授 (90118331)
神保 文夫  名古屋大学, 法学部, 教授 (20162828)
寺田 浩明  東北大学, 法学部, 教授 (60114568)
キーワード近代 / 法 / 西欧 / 中国 / 日本 / 市民社会 / ポストモダン / 比較
研究概要

本年度の研究成果の大部分は、石井三記・寺田浩明・西川洋一・水林彪編『近代法の再定位』(創文社、2001年)所収の諸論文としてまとめられた。神賓秀夫は、絶対主義時代の紀律化政策を重視した近代法論を展開し、金山直樹はその延長線上で、フランス民法がアクティブに社会を変革し規律化する側面を論じた。広渡清吾は、ナチスの「近代性」を問い「近代」なるものへの一つの批判の視座を提供した。以上の西欧近代法の再定位に見られる共通の特徴は、きわめて大づかみに言えば、西欧近代法が人々を強く紀律化する傾向を有していたことの指摘であり、近時のポスト・モダン的発想からの近代批判を多かれ少なかれ肯定的に受けとめた論調となっているが、これに対して、水林彪と西川洋一の議論は、これまでの近代法の歴史的認識に変更をせまるとともに(近代法における前近代的モメントの強調)、その価値をあらためて再認識しようとする志向を有し、ポスト・モダンの論調に批判的なスタンスをとるものとなっている。近代法の再定位をめぐる以上の対抗とはやや次元を異にして、神保文夫は、西欧近代法の資本主義法的モメントを前提として、これを受容しえた基盤を日本の前近代法に求める考察を行った。寺田浩明は、近500年ほどの中国の民事裁判のあり方を、西欧近代法との対比で論した。その論じ方は、「多数の個体間の市場的競争状態の出現を前にしていかにして秩序を形成するか」という共通問題に、西欧と中国とは異なった仕方で対処したというものであった。その意味で近500年の中国法史は「もう一つの近代法史」であるが、この延長線上で、中国現代法の特質を論じたのが季衛東の論文である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 神寶秀夫: "石井三記,寺田浩明,西川洋一,水林彪 編『近代法の再定位』創文社"絶対主義時代の法形態と立法目的. 5-36 (2001)

  • [文献書誌] 金山直樹: "石井三記,寺田浩明,西川洋一,水林彪 編『近代法の再定位』創文社"フランス民法という世界. 37-62 (2001)

  • [文献書誌] 広渡清吾: "石井三記,寺田浩明,西川洋一,水林彪 編『近代法の再定位』創文社"ナチズムと近代・近代法. 63-84 (2001)

  • [文献書誌] 寺田浩明: "石井三記,寺田浩明,西川洋一,水林彪 編『近代法の再定位』創文社"近代法秩序と清代民事法秩序. 85-112 (2001)

  • [文献書誌] 季衛東: "石井三記,寺田浩明,西川洋一,水林彪 編『近代法の再定位』創文社"中国の近代化における産業財産権の構造転換. 113-146 (2001)

  • [文献書誌] 神保之夫: "石井三記,寺田浩明,西川洋一,水林彪 編『近代法の再定位』創文社"西欧近代法受容の前提. 147-184 (2001)

  • [文献書誌] 水林彪: "石井三記,寺田浩明,西川洋一,水林彪 編『近代法の再定位』創文社"日本「近代法」における民事と商事. 185-219 (2001)

  • [文献書誌] 西川洋一: "石井三記,寺田浩明,西川洋一,水林彪 編『近代法の再定位』創文社"近代法の再定位のための7つの試みに接して. 223-249 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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