平成11年度から13年度にわたる本研究計画の内、本年度は、以下の4点を柱に研究を進めた。1.昨年9月月以降から動き出した新しいスコットランド議会(エディンバラ)について、エディンバラに出張(平成11年11月20日ー12月4日)し、現地にて、議会本会議と各種委員会を傍聴し、党の責任者や数名の議員に個別にインタビューして、議会の動向を探った。さらに、議会開設に関する学者や研究者、法実務家の意見をさぐるために、エディンバラ大学法学部のスタッフや、議会の動向に関心を有する弁護士などから意見を聴取した。さらに、これらと並行して、議会に関する最新のパンフレットや報告書などを多数収集した。2.帰国後、収集した資料や現地調査の結果などを整理し、来年度以降おこなう予定の、スコットランド議会に関する理論的分析の基礎的作業をおこなった。3.また、スコットランド議会の最新状況を分析する前提として、議会開設に至る前史と、「スコットランド議会開設法」の中味や問題点の理論的検討をおこなった。これらの成果は、次年度以降、単独の論文や「スコットランド法文化」に関する著書、翻訳書などを通じて公表する予定である。4.そして、これらの作業、理論分析を踏まえて、わが国のイギリス法研究が進んでいる大学(本年は、早稲田大学、名古屋大学、東北大学)に出張し、イギリス法の専門家とスコットランド法研究の打ち合わせをおこなうとともに、各大学のスコットランド法関係の資料調査をおこなった。
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