研究概要 |
平成12年度は以下の三点に絞って、エディンバラ大学法学部を中心とする現地での資料収集と大学スタッフや議会関係者との面談などを通じて研究活動を行った。 (1)新スコットランド議会の動向について、議会手続、組織の整備、新議会での新たな立法や法の主項目に重点をおいて、スコットランド議会事務局やエディンバラ大学、市立図書館などを中心にして資料収集とそれら資料の分析を行った。 (2)また個別法分野としては、特にわが国の法改正とのかかわりで、スコットランドの少年法と家族法について分析をおこなった。前者については、わが国の家庭裁判所における少年審判に該当する。スコットランド児童聴聞制度について、また後者については、わが国の1996年の法制審議会家族法部会による民法改正要綱においても、そのわが国への導入が提言された。5年間別居による離婚の制度などについて主たる分析対象とした。 (3)さらに、現在進行中の、わが国の大規模な司法制度改革とのかかわりで、スコットランドの法学教育、法曹養成制度、陪審制度などに関して資料を収集するとともに、この問題に関してエディンバラ大学法学部において、長年にわたって学生の指導に携わってきたヘクター・マクイーン教授(現法学部長)から、これらの問題についてさまざま情報を収集した。それを踏まえて、マクイーン教授の紹介を付して翻訳公刊したのが、研究成果として掲げた、「スコットランドにおける法曹養成--H.Maqueen,Studying Scots Law(2nd.)ed.,1999)翻訳」である。
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