(1)研究の中間的なまとめとして、2000年10月7日の日本社会保障法学会の全体シンポジウムで「社会保障行政争訟からみた司法制度改革の課題」と題する報告を行った。この報告の概要および討論は、学会誌『社会保障法』16号(2001年)で公刊される予定である。そこでは、社会保障行政争訟改革が緊急の課題であること、しかし現在の司法改革論議においてこの点が完全に欠落していること、改革を進めるための若干の改革案を、ドイツの例をふまえながら提示した。 (2)権利と行政手続法制に関する研究を進めるための基礎作業として、ドイツの社会法典第10編(行政手続)の翻訳作業を行い、現在、精査中である。近日中に公表することを予定している。 (3)戦後補償請求訴訟に関連した研究として、民科法律部会学術総会・ミニシンポジウム「戦後責任と21世紀民主主義法学の課題」において「戦後補償請求訴訟と国家責任-国家無答責論と立法不作為論を中心に-」と題する報告を担当した。この報告の概要および討論は、学会誌『法の科学』31号(2001年)で公刊される予定である。そこでは、外国籍の人々に対する平等保護および権利保障という視点から、一連の訴訟の現状と国家賠償法上の理論的課題および立法上および行政運営上の改革の課題を示した。 (4)全体にわたる基礎的な研究として「立憲主義・制度・自由市場-権利論再考のための覚書-」と題する論文を作成した。2001年3月に公刊される予定である。
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