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2000 年度 実績報告書

男女平等原理の規範的内容に関するEC法とドイツ憲法の緊張関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11620029
研究機関早稲田大学

研究代表者

西原 博史  早稲田大学, 社会科学部, 教授 (10218183)

キーワード平等原則 / 平等権 / 男女平等 / 性差別 / 共同参画 / 比例原則 / 比例性審査
研究概要

本研究は、法的に要請された男女平等の規範的な内容を探求する素材として、ドイツ憲法における正義指向モデルが、ドイツ国内で直接に妥当するEC法の権利指向モデルによって修正を迫られる状況を対象とし、それをどう把握するかを考察する。
権利指向モデルを採ることにより、男女を異なって扱う立法を権利制約と捉えた比例性審査が、正義指向モデルで採られていた比較可能性審査に取って代わることになる。そのことにより、積極的差別解消措置を採用する射程などに対しても、安定した審査基準が供給できることになる。
研究当初から踏まえてきたこの作業仮説の正当性は、EC法およびドイツ憲法に関する文献・判例の検討を通じて、基本的に証明されることとなった。ただ、権利指向モデルの適用が、性別という指標が法的に無意味であることを前提として成り立つものであることも同時に確認された。
EC法の実務との関係では、こうした認識は、直接に性別を分類基準としない「間接的差別」に関わる領域で、正義指向モデルに基づく比較可能性審査の適用が不可避となるという、理論的に新しい知見につながった。また、ドイツ法との関係では、明示的な性別基準に基づく分類に関して比例性審査の適用を拒否した場合に、性差別禁止が相対化される危険があり、また、積極的差別是正措置が許容される限界線に関する明確な認識を得られないという結果につながることも、明らかになった。
本研究によって得られた新しい知見は、日本の憲法学にとって新しいばかりでなく、ヨーロッパの議論においてもオリジナリティーが認められる。そのため、ドイツ語での先行発表を目指して、現在、最終的な研究成果の取りまとめを進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroshi Nishihara: "Two Models of Equality-Frameworks to Define the Appropriate Extent of the Affirmative Actioon for Women"Waseda Bulletin of Comparative Law. Vol.19(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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