本年度は、基本的に本研究11年度の研究計画に従って下記の作業を行い、若干の遅れはあるものの、ほぼ所期の目的を達成した。 (1)本研究の基礎的な準備作業として、契約関係をめぐる違法行為に係る法的処理につき、その今日的な理論状況の分析・整理を行うため、関連する学説文献・裁判例を幅広く収集し、かつ、とりわけ裁判例につき、取引形態・仕組み、問責の態様や法律構成などを指標として、目下その分類・整理を試みている。 (2)上記(1)の作業に際して、一方で適用法条の要件・効果を、他方では投機的取引・詐欺的取引など契約形態や契約締結のあり方に係る分類指標を得るため、パイロット的に裁判例の分析に着手した。 (3)上記(2)の作業に際して、キーワード的な処理を行い、PCを用いて表に纏める作業を試行錯誤的に試みている。 (4)上記作業と平行して、東京および大阪において、事業会社、商社と金融関係の法務担当者や企業法務に精通した弁護士との研究会を開催し、今後の研究の検討対象や研究方向等につき聞き取り調査を実施し、企業に対する実態調査の可能性や方法等の検討に入っている。
|