この4年間、救済法の観点から、民事手続過程の再構築に努めてきたが、判決手続の救済構造については、救済制度へのアクセスの拡充を図るべく、「より利用しやすい司法制度」と「差止的救済と訴額」を論じ、発展的・流動的性格を反映させるべく、「民事訴訟の手続とその基本的な考え方」を再検討し、「新たな選定当事者制度」の救済構造を論じ、「計画審理」とその基礎を支える「証拠の収集」の在り方も再検討し、「差止的救済の有用性」に関する総括的な展望を行い、ある医療過誤訴訟事件を素材として、「民事訴訟における救済形成過程とその課題」も論じた。さらに、上記観点から、「文書提出義務論に対する一視角」も提示し、「将来給付の訴えの展開可能性」を開く救済構造を探求した。また、一方で、少額救済を中心として、「小さなトラブルと裁判」の在り方を包括的に論じ、他方で、「大規模訴訟の特則」について、本格的に論じた。 なお、執行の局面では、「代替執行論」に新たな光を当て、「抵当権侵害と明渡請求」についても、新たな視角から論じ、また、「仮処分の方法」についても、その含意を本格的に探求した。なお、上記観点から、判例評釈も多数行い、さらに、法科大学院構想についても論及した。
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