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2000 年度 実績報告書

法律上取締役でない者が会社経営に従事した場合に生じる会社法上の諸問題の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11620048
研究機関大阪市立大学

研究代表者

北村 雅史  大阪市立大学, 法学部, 教授 (90204916)

キーワード事実上の取締役 / 取締役の責任 / 影の取締役 / 表見取締役 / コーポレート・ガバナンス
研究概要

1 平成12年度は、予定通り短期間渡米し、テキサス大学ロー・スクールにおいて、ヘンリー・ヒュー教授より、「事実上の経営者に関する法的諸問題」についての私の研究につき、レビューを受けた。その際、同教授より、当該問題に関する日米間の視点の違い、問題の社会的および学問的な重要性の相違などにつき重要な指摘を受けた。
アメリカでは、事実上の取締役(de facto director)理論は、適法な手続きを経て取締役または役員に選任されてはいないが事実上取締役・役員の職務を行っている者の行為(その者が会社を代理または代表した場合など)により会社が拘束されるとすることにより、取引の安全を図るためのものとして展開されてきた。したがって、事実上の取締役・役員自身が会社や第三者に対して義務違反に基づく責任を負うかどうかという事柄は、派生的あるいは枝葉的問題と把握されている。日本では事実上の取締役の対第三者責任が盛んに(これを中心として)論じられてきたのとは対照的であり、アメリカにおける要件論・効果論を日本法の解釈論に持ち込もうとするとき、このような前提の違いに着目し、慎重な比較法的検討を行う必要があることが、ヒュー教授および他のテキサス大学スタッフとの討論により明らかになった。
2 大阪市立大学国際学術交流研究会における韓国学術院会員・孫朱〓教授の報告より、韓国では1998年の会社法改正により事実上の取締役、背後取締役および表見取締役の責任が立法化されたという事実を知った。これらは、本研究課題との関係が大きいので、韓国会社法の状況も比較法の対象に加える予定である。
3 本研究の成果の一部として昨年度末に公表した「取締役の競業避止義務」(有斐閣)により、平成13年1月、公益信託大隅法学研究奨励基金第5回大隅健一郎賞を受賞した。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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