研究課題/領域番号 |
11620053
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大瀬戸 豪志 立命館大学, 法学部, 教授 (90185257)
|
研究分担者 |
佐上 善和 立命館大学, 法学部, 教授 (50081162)
鹿野 菜穂子 立命館大学, 法学部, 教授 (10204588)
上田 寛 立命館大学, 法学部, 教授 (90093195)
米丸 恒治 立命館大学, 法学部, 教授 (00202408)
和田 真一 立命館大学, 法学部, 教授 (80240547)
|
キーワード | サイバースペース / サイバー法 / プロバイダ責任 / 電子政府 / 電子署名 / 著作権 |
研究概要 |
本年度は、本研究プロジェクトの最終年として、これまで行ってきたサイバースペース法に関する法分野別研究状況の調査と資料収集、各種法現象の実定法分野に即した理論的・体系的な分析検討、国際機関および諸外国における法規制・法制度に関する動向調査をふまえて、それぞれの分担者が担当する法分野および比較法研究対象国を素材にして、総合化の作業へ向けたまとめを行った。その際の研究対象分野として、知的財産権法、刑事法、民事法、民事訴訟法および行政法・情報法の分野が選ばれている。その中で獲得された研究成果としては、第一に、インターネットの普及にともないサイバースペースで流通するデジタルデータが従来の著作権法に与えたインパクトを明かにし、著作権法を含む知的財産権法制がどのような方向や対応をめざすべきなのかを明かにした。また、第二に、国境の壁のないグローバルなサイバースペースで展開してきているネットワーク犯罪が従来の国内刑事立法に対してつきつけてきた課題を明かにして、各国が取り組んできている新たな刑事立法の現状と問題点を明かにすることができた。ネットワーク犯罪にかかわっては、今後、サイバースペース全体の監視のあり方や、そこにおける民間組織の自主的な活動の位置づけ、自主規制のあり方などが早急に検討されなければならない。第三に、電子署名法制を中心とするサイバースペースにおける安全な取引基盤の確立の現状と、わが国法制の問題点を明かにした。特に、わが国の電子署名関連法制の課題として、電子署名法が有する様々な問題点の解決が早急に必要であることが明かになった。この点との関連では、電子政府の動向と、その中での電子署名・電子認証を基礎とした電子的行政手続法制についても検討結果をまとめている、最後に、民事法、ADRを含む民事手続法の分野での研究成果もあがっており、今後発表を予定していることを付言しておく。
|